米田博物館

展示物はわたしです❤️ どうぞ、ご覧になって行ってください😊

はじめての診察

はじめて行ったその鍼灸院で、

診察室に入った途端に大号泣した患者のわたし。


促されるまま、先生の向かいにある椅子に座ると

目の前にあるテーブルに手のひらを上にした状態で両手を置くよう言われた。


先生と私の横にMさんが立ち、

Mさんは左手でわたしの手や色んな部分を指したり、

わたしの手に小さな容器に入ったよくわからないもものを乗せたりしながら

右手を先生に差し出し、

先生が何やらその右手を触って何かしながら

わたしのカルテらしきものに書きこんでいく。


その間、わたしは呆然としたまま

(大号泣のあとって、ぼーっとしちゃうでしょ。あんな状態)


ひとしきりその作業が終わると、

「今日はどうしましたか?」

と先生がわたしに問いかけつつも


「あなたの問題は、あなたのお母さんです」


と言われた。


はぁ?っていうのと、

いやいや、わたしの人生で原因があるとすれば

父親だろう。

お母さんなはずないじゃん。こんなに仲がいいのに。


という思いで、さっきまでの涙も吹き飛び

怒りが湧いてくる。


「いや、違います」

と反論する間もなく

「お母さんが原因」

と何度も念押しされ


わたしの手に本を乗せて

またMさんの手を引っ張りながら

何か測っている


そして、測り終わると

具体的に

こういう病名、だの

こうすれば治る、だの

一切なく、


出された処方が

驚くことに薬などではなく、

先ほど手に乗せられていた本だった。


本には

「なぜ白雪姫はりんごを食べたのか」

とタイトルが書かれていた。


「これを読んでまた来なさい」

と先生に言われ

その日の診察は終了した。


全くわけがわからなかったけど、

先生が言ってることは間違ってる、とも思って仕方がなかったけど


帰りの車の運転が、

周りに道をすんなり譲れるほど優しく、気持ちいいものだったのを

よく覚えている。